成長と衰退

ここ最近、組織の成長サイクルのステージ別で発生する課題と対応方法をまとめています。

組織には次の成長へ向かうために超えるべき成長痛(=課題)がありますが、整理していくとやはり社内関係者の意識をどうあるべき姿に近づけるかが重要と感じます。

 

もちろん、ビジネスモデルや商品・サービスの新規性等の要素はあると思いますが、同じアイデアがアップデートもせずに永続維持できるはずもありません。この辺は、名著「イノベーションのジレンマ」クレイトン・クリステンセン著)にも述べられています。結局、新しいイノベーションを起こせるか起こせないかは突き詰めると、関わる人の意思決定の方向性に帰結することは疑いがありません。

 

組織の成長サイクルの伴う意思決定の変遷を大きくみていくと、創業期は創業者のトップダウン型から始まり、事業拡大に伴い各マネジメントクラスへの意識決定の分業が必要となります。ここで創業者が分業の決断を下せるかという一つの山があります。ここに理念などの軸がなければ属人的な判断に委ねなければならないので、分業はできないでしょう。

 

また、組織が成熟してくるとルールがある程度、意思決定の代わりをしてくれるので、スピード感はでるのですが、イノベーションの観点からは硬直的すぎる環境のため、せっかくのアイデアもルールにはじかれお蔵入りになるケースも多々あります。

 

企業成長に必要な意思決定について、社内の意識や気持ちの揺れを感じ取りながら、成長段階に合わせた仕様にしなければ、あっという間に企業の衰退にもつながります。自社の特徴やステージをしっかり把握して、全社の力が発揮しやすい設計が必要です。